ご挨拶

帝京大学ちば総合医療センター薬剤部
飯塚雄次

 このたび、第83回総会において仲佐啓詳前会長の後を受け、千葉県病院薬剤師会(以下、当会)の会長に就任いたしました帝京大学ちば総合医療センターの飯塚雄次でございます。このような大役をおおせつかり、その責任の重大さを改めて痛感している次第であります。会員の皆様の期待に応えられるよう精一杯努める所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 千葉県病院薬剤師会は昭和26年(1951)に発足し、平成24年(2012)に一般社団法人千葉県病院薬剤師会として登記され、2022年法人化10周年を迎え、2023年には法人化10周年記念誌を発行しました。私も記念誌作成の一員であり、歴史の足跡をたどることが出来、諸先輩方の功績を感じることが出来ました。

 千葉県病院薬剤師会は、それぞれの医療機関に在籍している個々の病院及び診療所等に勤務する薬剤師が医薬品の適正使用の責任者としての自覚を持ち、倫理的・学術的水準を高め、医薬品のあるところに必ず薬剤師が存在し、国民が安心して受けられる医療・福祉環境を実現するための一役を担うことを目的としています。

 私は、薬剤師の責務は、「患者安全」と考えています。「患者安全」を実施するためには、安全で適切な薬物療法の実践が必要です。近年、医師の働き方改革が示され、病院薬剤師には医師等のタスクをシフト/シェアが求められるようになりました。ただ単に医師の負担軽減になるというだけではなく、病院薬剤師の関与により患者安全が向上するからです。しかしながら、病院薬剤師のマンパワーは現状では、限られており十分ではありません。第8次医療計画では病院薬剤師の確保計画が盛り込まれ、病院薬剤師をと明記されていることから医療には病院薬剤師が不可欠であるということが国として示されています。病院薬剤師確保として令和5年度地域医療介護総合確保基金の事業が採択され、千葉県薬務課との連携を構築することが出来ました。当会にとって大事な一歩であったと思います。今後も基金の事業を継続できるように県との連携を深め、千葉県に合った事業を展開していきます。また、第83回総会で承認されました学生会員を創設したことにより、1人でも多くの薬学生へ病院薬剤師の責務、重要性、魅力を伝え、病院薬剤師に目指す学生を増やしていきます。

 また、現在の医療は、病院だけで薬物療法は完結せず、後方支援の病院、保険薬局と連携し、持続的な薬物療法を展開しなければなりません。そのためには、色々な機能を持っている施設同士がお互いの機能を理解し、治療だけではなく、療養も視野に入れた薬物療法をつなげていかなければなりません。当会の講習会・研修会は自己研鑽の場ではありますが、お互いの病院を知る機会でもあると思います。コロナ禍の中でWEBによる開催が主流になっていますが集合・WEBを有効活用し、新たな講習会・研修会の形を構築します。

 薬剤師に求められる役割は、進化(深化)し、常に変化を求められています。常に「患者安全」のために薬剤師として何が出来るのかを問いかけながら理事をはじめ会員の皆様と一緒に考えていきたいと思います。

 大それた意見かもしれませんが、全ての病院薬剤師に光があてられる病院薬剤師会でありたいと思っています。今後ともご理解・ご協力をお願いたします。